我が家は営業所にできるのか?

民間救急・介護タクシー

脱サラして、「介護タクシーでも始めるか」と考える方も多いと思います。そのうち大体の人は自宅を営業所にと計画を練り始めると思いますが、最初に引っかかるのが都市計画法の用途地域の問題です。実際私も申請にあたってこれで大失敗したことがあります。さて、我が家が事務所にできるのか一緒に考えてみましょう。

1.用途地域

用途地域とはSim City、最近ではシテーズスカイラインなんてゲームをやってると頭に入ってきやすいかもしれませんが、住居、商業、工業をそれぞれ分けて土地利用するほうが混ざってる状況より効率的に活動することができることから、住宅地、商業地、工業地をいくつかの種類に区分してこれを「用途地域」として定めています。

2.自宅を介護タクシーの営業所にする場合の建物の用途

様々な用途地域にたして、建築物にもそれぞれ用途が定められます。住宅、店舗、工場等など建物ごとに用途があるわけですが、自宅を営業所にする場合、普通の建売戸建て、マンションであれば「兼用住宅で、非住宅部分の床面積が、50㎡以下かつ建築物の延べ面積2分の1以下のもの」(以下兼用住宅)になると思われます。結構大きい家や逆にワンルームマンションだったりする場合はこれに当てはまらないので普通に「事務所・事務所の床面積が150㎡以下のもの」になると思われます。

3.住所の用途地域を確認する

殆どの市区町村は都市計画図をネットにアップロードしておりますので、そこで確認することができます。

わからない場合は各市町村の都市計画課に問い合わせて確認するのが良いかもしれません。

 

4.当てはめ

それでは下記に表を用意しましたので、ご自宅が問題ないか確認してみましょう。

  第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域 第一種住居地域 第二種住居地域 準住居地域 田園住居地域 近隣商業地域 商業地域 準工業地域 工業地域 工業専用地域
兼用住宅で、非住宅部分の床面積が50㎡以下かつ建築物の延べ面積の2分の1以下のもの  
事務所等(150㎡以下のもの) × × × ×

※2階以下

 

この表に記載ありませんが、市街化調整区域はそもそも営業所ができなかったりするので注意が必要です。

第一種中高層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、田園地域だった場合で、兼用住宅の場合は運輸局から兼用住宅であることの証明或いは、確認を求められる可能性があります。その場合、各都道府県の建設事務所へ詳細な地図と営業所に当たる部分及び玄関から営業所に至る部分を赤斜線等でわかるように線引きしたものを渡して、床面積50㎡以下延べ面積2分の1であることを確認して貰う必要があります。確認された後、書面を貰うか、もらえない場合は担当者の名前と連絡先を記録して、運輸局に提出してください。

 

5.後書きと参考文献

私が何で失敗したかというと依頼を受けた人が営業所に設けた場所が市街化調整区域だったわけです。首都圏の依頼ばかり受けていると、こういうことがすっかり抜け落ちるので気をつけたいものです。

みんなで進めるまちづくりの話④「土地の使い方と建物の建て方のルールの話」 国土交通省都市局都市計画課

「用途地域による建築物の用途制限の概要」 東京都都市整備局