救急車が有料になる!?有料化のメリット、デメリットを解説

介護知識

海外では救急車は有料という国も多いですが、日本の消防救急車は無料で手配できます。
しかし、無料だからといって安易に利用する人もいるため、有料化したほうが良いという声が挙がっているのも事実です。

この記事では、日本で救急車が有料化されたらどうなるのか、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。

救急車は有料・無料どっち?

日本で消防救急車の出動1回あたりにかかる費用は、40,000~45,000円程度だと言われています。

救急車の出動1回に45,000円の費用がかかるとすれば、仮に年間600万回の出動とした場合、合計すると2,700億円もの費用がかかっていることになります。

日本の消防救急車は、無料で要請できることが法律で定められており、その出動費用はすべて税金で賄われています。

そのため、無料で救急車を呼ぶことができるのです。

また、救急車を無料で手配できる対象は、日本にいるすべての人です。

人種や国籍はもちろん、納税の有無も関係なく、観光などで日本にやってきた外国人も無料で救急車を呼ぶことができます。

ただし、救急車を呼ぶだけであれば無料ですが、病院に救急搬送された後は、以下のような費用がかかります。

治療費 医療費、薬代など治療にかかる費用
時間外医療費 夜間・休日などの時間外での治療にかかる費用
特定療養費 緊急性がないと判断されたうえで、200床以上ある病院へ搬送された場合にかかる費用
交通費 自宅に帰るまでの公共交通機関、タクシーなどの費用

消防救急車は無料で呼べるがゆえに、自分で病院に行けるような軽症者でも安易に利用するケースが後を絶たず、海外諸国のように有料化したほうが良いのではないかという声も挙がり始めているのです。

救急車を有料化する3つのメリット

現状、日本の消防救急車は無料で要請が可能です。

もし今後、日本の救急車が有料化されるとしたら、どんなメリットがあるのでしょうか。

ここからは、救急車を有料化するメリットについて紹介します。

無駄な出動を減らせる

救急車を有料化することで、多くの人が救急車を呼ぶことに慎重になることが予想されるため、安易な出動要請を減らすことにつながります。

無駄な出動が減ることで、過重労働になりがちな救急医療の現場で働くスタッフの負担を軽減でき、人材不足の解消も期待できるでしょう。

重症患者の搬送がスムーズになる

本来救急車は、自分自身や家族の付き添いなどで病院の行くことのできない重症患者を迅速に病院へ搬送することを目的としています。

しかし、軽症者による安易な利用が増えることで、本当に必要な人が、必要なときに利用できないケースもあり、重症患者の搬送に支障をきたしているのが現状です。

救急車の有料化によって安易に利用する人が減ることで、重症患者の搬送がスムーズになり、助かる命が増えるというメリットもあります。

消防関連費の削減

日本では年々、救急車の出動件数が増えており、国の費用負担が増加しています。

救急車を有料化すれば税金で賄う必要がなくなるため、節税対策にもつながり、消防関連費の予算を他のことに回せるようになります。

救急車の有料化にはデメリットもある

救急車の有料化には、必ずしもメリットだけではありません。

救急車が有料になることで、重症者であってもお金がないと呼ぶことができず、呼びたくても呼べない人が増える可能性があります。

そのため、救急車で搬送すれば救えたはずの命が救えなかったり、病院への到着が遅れたがゆえに重症化して、医療費の負担が増えてしまうリスクが懸念されています。

また、救急車を有料化しても、お金に余裕がある人の安易な利用は減らない可能性も示唆されています。

お金を支払っているという意識から、救急車をタクシーのように呼んだり、横暴な態度をとる人が増えるなど、救急医療の現場で働くスタッフの負担が増加する可能性もあるのです。

救急車の有料化を防ぐには?

国の税負担が増える一方という現状では、救急車の有料化という意見が出てくるのも致し方ないことだと言えます。しかし、救急車が有料化された場合、本当に必要なときに利用をためらう人が増えてしまっては本末転倒です。

救急車の有料化を防ぎつつ、重症者のスムーズな搬送を実現するには、軽症者による安易な利用を減らしていくことが重要になるでしょう。

その方法の一つとして挙げられるのが、「民間救急車」です。

民間救急車とは、国土交通省や消防の許可を得た民間事業者が、ベッドなどの設備を持つ搬送用自動車を利用して患者を病院まで搬送するサービスです。

緊急性が低い場合に活用できる搬送サービスですが、ストレッチャーや車いすのまま、乗車できる車両を利用しているので、救急車と同じように寝たまま病院へと移動することが可能です。

病気や怪我で自家用車やタクシーに乗るのが辛いけれど、救急車を呼ぶほどではないという場合に活躍します。

民間救急車は事業者によって料金システムが異なりますが、時間料金制や距離料金制をとっているケースが多いです。

30分の搬送であれば、介助料金やストレッチャーのレンタル料などを含めて、10,000~15,000円程度が目安となるでしょう。

看護師や救急救命士が同乗することも可能です。公共交通機関やタクシーで移動するよりも安心できるというメリットもあります。

また、有資格者の乗る民間救急車では、自家用車やタクシーでは移動が難しい酸素の投与や持続点滴といった医療処置継続が必要な方の搬送にも対応しています。

搬送中は看護師や救急救命士が、搬送元病院の指示に従って、流量の管理や様子観察、必要な介助を行います。

救急車を呼ぶか迷ったときはもちろん、車いすやストレッチャーを使って転院や入院、通院や退院をしたいとき、高齢者施設への送迎を行いたいときなどに活用すると良いでしょう。

有料化の前に!民間救急車を上手に活用しよう

安易な消防救急車の利用は、重症者のスムーズな病院への搬送に支障をきたす原因となるだけではなく、国の税負担に拍車をかけてしまいます。

このままの状態が続くと、日本においても他の国のように、救急車の有料化が進む可能性は十分考えられるでしょう。

救急車の有料化を防ぐためにも、軽症者が利用できる民間救急車を上手に活用し、生活の一部として取り入れてみてはいかがでしょうか。

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救急車が有料化され、本当に必要な人が利用できなくなるケースを防ぐためにも、民間救急車を上手に活用していきましょう。