熱性けいれんで救急車は呼んでいい?対応方法や救急車を呼ぶタイミングを解説

民間救急・介護タクシー

子どもに多く見られる「熱性けいれん」は、2~3分程度で治まるケースが多いです。しかし、「不安で今すぐ救急車を呼びたい」「何分経ったら救急車を呼ぶべきなのか分からない」という方もいるでしょう。
この記事では、熱性けいれんが起きたときの対応方法、救急車を呼ぶタイミングについて分かりやすく解説します。

熱性けいれんとは

熱性けいれんとは、38℃以上の発熱に伴って起こるけいれん発作のことで、生後6ヶ月~5・6歳頃の乳幼児期に起こりやすいと言われています。

子どもの幼弱な脳神経細胞は急激な体温変化に弱いため、発熱時に意識障害やけいれんを起こすことがあるのです。

熱性けいれんは12~13人に1人の子どもが経験すると言われているため、決して珍しい病気ではありません。

主に2~3歳までに発症することが多く、小学校低学年以降になると見られなくなってくるのが一般的です。

熱性けいれんの主な症状は、以下の通りです。

  • 間代性けいれん(手足がぴくぴくする)
  • 硬直性けいれん(手足が硬くなり突っ張る)
  • 硬直・間代性けいれん(手足が硬くなった顎、次第にぴくぴくする)

体全体にけいれんが起こることもあれば、半身や四肢の一部にのみ生じたり、体の力が抜けた状態で意識だけを失うこともあります。

さらに、熱性けいれんは呼吸不全に陥りやすいため、チアノーゼや嘔吐、失禁を伴うこともあり、注意が必要です。

通常、熱性けいれんは2~3分ほどで自然と治まりますが、稀に20分以上続くこともあります。また、子どもの熱性けいれんの大半は、高熱がでてから24時間以内に起きています。

熱性けいれんで救急車を呼ぶタイミング

子どもの熱性けいれんで救急車を呼ぶタイミングは、「けいれんが5分以上続いたとき」です。

実際に目の前で子どもがけいれんを起こすと1分間でもとても長く感じてしまうため、5分様子を見るというのは保護者にとってとても辛いことかもしれません。

しかし、20分以上けいれんが続く場合を除き、熱性けいれん自体が命に関わる可能性は低いとされているため、慌てず落ち着いて対処することが重要です。

一方で、5分以上けいれんが続く場合、もしくは以下のような症状がある場合は、すぐに119番をして救急車を呼びましょう。

  • けいれんを何度も繰り返す
  • けいれん後に意識が戻らない
  • 呼びかけても反応が鈍い
  • 目線が合わない
  • 呼吸が不規則で弱々しく、唇の色が悪い

救急車では必要に応じて酸素投与を受けることができるため、けいれんによる呼吸状態の悪化を防ぐことができます。

熱性けいれんが起きたときにやるべきこと

初めて熱性けいれんを見た保護者の場合、子どもの意識がなかったり、顔色が悪くなっていく様子を見て、「死んでしまうのではないか」と気が動転することもあるでしょう。

しかし、ほとんどの熱性けいれんは5分以内に自然と治まります。パニックになるのではなく、適切な対処を行うことが大切です。

ここからは、熱性けいれんが起きたときにやるべきことを紹介します。

落ち着いて冷静になる

子どもが熱性けいれんを起こした場合、慌てる気持ちは分かりますが、まずは落ち着くことが何よりも重要です。

深呼吸などをして、冷静になることを心がけましょう。

保護者がパニックになってしまうと適切な対応ができず、子どもの命を危険に晒してしまう可能性があります。

子どもの体を横向きにする

熱性けいれんを起こした子どもは、嘔吐をすることがあります。

体を上向きにすると、吐瀉物が気道を塞いで窒息してしまう恐れがあるので、顔と体を横向きにして寝かせるようにしましょう。

また、熱性けいれんが起こると、呼吸が弱くなることが多いです。着ている衣服を緩めて、呼吸を楽にしてあげましょう。

けいれんの持続時間を計る

子どもが熱性けいれんを起こしたら、必ず時間を計るようにしてください。

けいれんがどれくらい続いているか、持続時間の長さは、救急車を呼ぶかどうかの判断基準となります。

けいれんが治まったら意識を確認

けいれんが治まったら、呼びかけにしっかり反応するか、視線が合うかなど、子どもの意識を確認しましょう。

けいれんが治まっても意識が戻らない場合は、すぐに救急車を呼んでください。

医療機関を受診

熱性けいれんは自然と治まりますが、再びけいれんを起こしたり、意識や呼吸がおかくなったりすることもあります。

けいれんが治まり、子どもの意識を確認した後は、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

けいれんが5分以内に治まり、意識もしっかり戻っていれば、自家用車やタクシーで医療機関へ向かっても問題はありません。

熱性けいれんで救急車を呼んだら怒られる?

「熱性けいれんで救急車を呼んだら怒られる」という話を耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

けいれんが20~30分以上続くと熱性けいれん重積状態となり、何もしないでいると脳が損傷したり、酸素が行き届かなくなったり、呼吸不全を起こすなど、危険な状態に陥る可能性もあります。

5分以上のけいれんが続いたり、意識が戻らない、呼吸が弱いなどの症状がある場合は、すぐに119番をして救急車を呼びましょう。

また、けいれんが治まって子どもの意識が回復したとしても、「またけいれんが起きたらどうしよう」と不安になる保護者も多いです。

自家用車やタクシーで医療機関へ向かうことに不安がある場合は、消防救急車ではなく「民間救急車」を活用してはいかがでしょうか。

民間救急車とは、緊急を要さない患者の搬送を担う民間の事業者です。

消防救急車とは違い、運賃や介助料金がかかりますが、車内では看護師や救急救命士による介助を受けられるため、搬送中も安心感があります。

特に、熱性けいれんは何度も繰り返し起こる可能性もあるため、救急車を呼ぶべきか迷ったときは、民間救急車を呼んで医療機関を受診するのがおすすめです。

熱性けいれん後は民間救急車での搬送が安心

子どもの熱性けいれんで救急車を呼ぶべきなのは、けいれんが5分以上続いたり、繰り返したり、意識障害や呼吸が改善しない場合です。

5分以内に自然とけいれんが治まり、アイコンタクトができたり、会話ができたりなど、特に異常がない場合は、救急車を呼ぶ必要はないでしょう。

熱性けいれんは繰り返すこともあります。「またけいれんを起こすのでは?」と不安な場合は、民間救急車を利用して医療機関を受診することをおすすめします。

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熱性けいれん後、安全に病院に向かいたい場合は、ぜひ民間救急車を活用してみてください。