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ユニバーサルツーリズムとは
ユニバーサルツーリズムとは、ユニバーサルデザインの考え方を観光に置き換えたもので、年齢や性別、国籍や言語レベル、障がいや能力などの違いにかかわらず、すべての人が気兼ねなく楽しめる旅行のことを指します。
高齢者や体が不自由な方、妊婦や乳幼児を連れた家族旅行では、不自由な思いをすることも多く、存分に観光を楽しめないケースも少なくありません。
しかし、ユニバーサルツーリズムに対応した施設が増えることで、これまで旅行に行くことが難しかった高齢者や障がい者も、不自由さを理由に旅行を諦める必要はなく、すべての人が自由に観光を楽しめるようになるのです。
ユニバーサルツーリズムの必要性
ユニバーサルツーリズムが必要とされる背景には、少子高齢化で旅行をする人が減少するなか、高齢者や障がい者、妊婦など、ユニバーサルツーリズムの対象者の数が国内人口の3割を超えていることが挙げられます。
日本は現在、深刻な少子高齢化が進んでおり、今後はユニバーサルツーリズムの対象者を含む家族旅行やグループ旅行、団体旅行などが増えることが予想されています。
旅行に出かけることに不安を覚え、実際に行動できない人が増加することは、観光産業において痛手になります。
そこで必要とされるのが、施設のバリアフリー化、身体に不自由がある人への移動手段の確保などに対応した、ユニバーサルツーリズムです。
ユニバーサルツーリズムの取り組みが推進された地域・施設では、対象となる観光客も気兼ねなく旅行を楽しむことができるようになり、集客が見込まれます。
一方で、地域間競争が激しい観光業界において、ユニバーサルツーリズムに取り組んでいない観光地は、今後観光客を逃してしまうリスクを抱えやすくなると考えられています。
ユニバーサルツーリズムの効果
観光地におけるユニバーサルツーリズムの普及・促進は、大きな集客効果が見込めます。
ユニバーサルツーリズムは、高齢者や障がい者はもちろん、日本人だけではなく、外国人観光客も快適に過ごせる旅行を目的としています。
言語によるコミュニケーションの不安を改善し、海外から訪れる日本の不便さを取り除くことによって、国内対象者だけではなく、訪日観光客の集客も見込めるようになり、より高い経済効果が期待できるでしょう。
また、ユニバーサルツーリズムに率先的に取り組む地域は、先進的で高品質な観光を楽しめると捉えられやすく、一般の観光客からもプラスのイメージが抱かれやすくなります。
バリアフリー化や移動手段の確保など、誰もが自由に旅行できる環境を整えることで、大きなシェアを獲得できるでしょう。
ユニバーサルツーリズムの取り組み方
ここからは、ユニバーサルツーリズムを検討している宿泊施設や観光施設、旅行会社等に向けて、今すぐできる取り組みについて紹介します。
施設のバリアフリー対応
ユニバーサルツーリズムの取り組み方として、まずは施設のバリアフリー化が挙げられます。
段差を減らしたり、スロープにしたり、廊下に手すりをつけて歩行しやすくしたり、客層に応じた対応をすることで、誰もが安心して旅行を楽しめるようになります。
また、車椅子の貸出サービスを取り入れたり、外国人向けに多言語の案内表示やイラスト・ロゴマークを取り入れたり、視覚障がいがある方のために点字を追記したりすることも、ユニバーサルツーリズムに有効な取り組みです。
移動・交通手段の確保
観光施設や宿泊施設、旅行会社等は、ユニバーサルツーリズムの対象者向けに、移動・交通手段を確保しておきましょう。
例えば、民間救急・介護タクシー事業者と連携することで、身体が不自由な方の車の乗り降り介助はもちろん、車椅子の移動もスムーズに行えるため、ユニバーサルツーリズムの対象者の移動がスムーズになります。
介助スタッフの手配・育成
ユニバーサルツーリズムに対応するには、あらゆる事態にも対応できるスタッフの手配・育成に取り組むことも大切です。
例えば、外国語が話せるスタッフがいると海外から来た観光客も安心して旅行を楽しめますし、手話ができるスタッフであれば聴覚障がいがある方も利用しやすくなります。
また、きざみ食等の提供が可能な施設であれば、食事の嚥下がしにくい高齢者も、旅先で美味しい料理を楽しめるでしょう。
バリアフリーや介助情報の発信
施設や移動手段、スタッフのユニバーサルツーリズムに取り組んだ後は、それらの情報をしっかりと発信することも必要です。
どの部分がバリアフリーで、どこに段差があるということをHPやSNSなどで発信したり、車椅子でも利用しやすいようにエレベーターの有無やドア幅、浴室などの写真を掲載したり、きざみ食や食事のアレルギー対応など、ユニバーサルツーリズムに取り組む観光地であることを広くアピールしていきましょう。
ユニバーサルツーリズムは民間タクシー・介護タクシーと連携しよう
ユニバーサルツーリズムの対象となる高齢者や妊婦、障がい者などは、公共交通機関での移動が難しく、乗り降りの介助が必要であったり、車椅子での移動のため別途車を用意しなければならなかったりと、旅行をするにも不便があります。
宿泊施設や観光施設、旅行会社等でユニバーサルツーリズムの推進を進めるのであれば、民間タクシーや介護タクシーと連携して、すべての人が旅先での移動手段に困らないようにしてみてはいかがでしょうか。
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