通院介助とは?保険適用・適用外(自費)の条件や料金を紹介

介護知識

医療機関に通院するための移動介助を受けられる「通院介助」には、介護保険の適用条件があります。誰もが保険適用になるわけではなく、適用外(自費)となることもあるため注意が必要です。
この記事では、通院介助とは何か、保険適用・適用外(自費)の条件や料金について紹介します。

通院介助とは

通院介助とは、利用者が医療機関に通院するために必要な介助を行うサービスのことです。

1人で通院することが難しい利用者に対して、訪問ヘルパーなどが同伴し、移動介助や受診の手続きなどもサポートしてくれます。

介護保険法における訪問介護には、「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」という3つの種類があり、通院介助は「通院等乗降介助」に分類されています。

通院介助の具体例としては、以下のようなものがあります。

  • 通院に必要な持ち物の準備
  • 公共交通機関やタクシーなどの乗降介助
  • 自宅から病院までの往復の付き添い
  • 病院から病院までの付き添い
  • 病院内での移動介助
  • 病院内でのトイレ介助
  • 診察券の提出
  • 問診票など受診に関する手続き
  • 薬局への移動介助

また、通院介助と似たサービスに「外出介助」があります。

通院介助は通院(入院・退院を含む)時に限定されたサービスですが、外出介助は通院だけではなく、日用品の買い出し、金融機関や役所での手続きなど、利用者の日常生活において必要な外出の介助が対象となります。

また、介護保険法において外出介助は「身体介護」に含まれます。

身体介護とは

身体介護は、日常生活動作(ADL)や手段的日常生活動作(IADL)、生活の質(QOL)、意欲の向上などを目的とした自立支援・重度化防止のためのサービスです。

食事(調理・摂食・口腔ケア)や入浴、着替えや排せつ、歩行や車いすでの移動など、利用者の身体に直接触れながらサポートを行います。

生活援助とは

生活援助とは、訪問ヘルパーが自宅に訪問して、生活に必要な家事などの支援を行うサービスです。

掃除やゴミ出し、買い物、料理、片付けなど、利用者が日常生活をスムーズに遅れるよう援助します。

通院介助の介護保険を適用できる条件

通院介助は、介護保険法における訪問介護の一種です。

しかし、必ずしもすべての人が介護保険に該当するわけではありません。

ここからは、通院介助で介護保険を適用できる条件について解説します。

要介護1~5の認定

介護認定には「要介護(日常生活に支障がある)」と「要支援(基本的には1人で生活できる)」があり、要介護は1~5、要支援は1~2のレベルに分類されています。

通院介助で介護保険を適用できるのは、要介護1~5認定を受けた方のみです。

要支援1~2の方が通院介助を受ける場合は、介護保険適用外(自費)となります。

ケアマネージャーによる判断

要介護1~5であっても、すべての人が介護保険適用できるわけではありません。

通院介助を介護保険適用するには、ケアマネージャーが必要であると判断し、ケアプランに組み込んでいることも条件となっています。

移動できる範囲

以前の介護保険法では、通院介助で移動できる範囲は「自宅から病院」と「病院から自宅」と定められていました。

しかし、2021年4月の法改正により、介護保険の適用範囲が大幅に拡大されたことで、自宅が始点である場合に限り、「デイサービスから病院」や「病院から病院」という複数の拠点にまたがった移動にも適用されるようになっています。

ただし、通院介助の適用は、あくまで「自宅」からの出発があることが前提です。

自宅以外の場所(友人や親戚の家、駅やバス停など)から訪問ヘルパーと合流して医療機関へ向かった場合は、通院介助の介護保険は適用されなくなるなり、全額己負担となるので注意が必要です。

通院時の院内介助は介護保険の適用外

通院介助は、通院に必要な介助を行うサービスですが、院内介助については病院スタッフが行うことが原則とされています。

例えば、診察中や治療中の介助は病院スタッフが対応するため、通院介助には含まれません。

リハビリや検査、会計などの待ち時間の付き添いに関しても、通院介助の対象外とされています。

ただし、病院内での複数の診療科に渡る移動やトイレ介助など、ヘルパーの介助が必要とケアマネージャーが判断した項目については、介護保険の対象となります。

通院介助の料金はどれくらい?

ここからは通院介助にかかる料金について紹介します。

介護保険が適用された場合

厚生労働省「介護給付費等単位数サービスコード(令和4年10月施行版)」によると、通院等乗降介助の介護保険等単位数は1回につき101単位(1単位10円の場合は1,010円)で、このうち1~3割が自己負担となります。

早朝・夜間に依頼する場合は基本単位に25%単位が加算され、深夜に依頼する場合は50%単位が加算されます。

また、身体介護として介護保険を利用する場合、1単位10円としたときの金額目安は以下のようになります。

サービス内容 単位数
20分未満の身体介護単位数 167単位(1,670円)
20分以上30分未満の身体介護 255単位(2,550円)
30分以上1時間未満の身体介護 402単位(4,020円)
1時間以上1時間半未満の身体介護 584単位(5,840円)
1時間半以上2時間未満の身体介護 666単位(6,660円)

このうち1~3割が自己負担です。

介護保険適用外(自費)の場合

要支援1~2の方が通院介助を利用する場合など、介護保険の適用外となる場合は、自費で利用することになります。

自費で利用する通院介助サービスなら、介護保険の対象となる介助はもちろん、「待ち時間に病院内を移動する」「診察室のなかに付き添って医師の話を一緒に聞く」なども可能です。

また、要介護1~5の方が通院介助を利用する場合でも、例えば「病院に行くついでにスーパーに寄った」などのケースは保険適用外となるため、介護保険適用分と適用外(自費)分を合わせて支払うことになるでしょう。

自費サービスの料金は事業所によって異なるため、事前にしっかりと確認したうえで依頼することが大切です。

通院介助は介護保険と自費のサービス組み合わせて使おう

通院介助は、介護保険法における訪問介護の一種で、「通院等乗降介助」に分類されます。

保険適用するにはいくつかの条件を満たす必要があり、すべての人や介助が対象となるわけではありません。

「保険適用だと思って依頼したら自費だった」などのトラブルを回避するためにも、どこまで保険適用なのか、どこからが適用外(自費)なのかを理解したうえで、組み合わせて利用するのがおすすめです。

通院介助サービスの内容や料金は、事業者によって異なります。

エマジェンの一括見積もりサービスであれば、介護保険が適用となるお近くの介護タクシー業者への相談・一括見積もりを無料で行うことが可能です。

また、買い物や旅行などにも対応した介護タクシーや、緊急性の低い場合に利用できる民間救急の紹介も可能です。

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