介護タクシーの開業で失敗する5つの理由とは?廃業を防ぐ対策を解説

民間救急・介護タクシー

介護タクシー事業は、車両が1台以上あれば個人でも開業できます。しかし、開業すれば必ず成功するわけではなく、介護タクシーの開業に失敗し、負債を抱えたまま廃業に追い込まれてしまうケースも存在します。

この記事では、介護タクシーの開業で失敗する理由、廃業を防ぐ対策について詳しく解説します。

介護タクシーの開業で失敗する理由

それでは早速、介護タクシーの開業で失敗するのはなぜなのか、よくある理由を紹介します。

市場調査・分析ができていない

介護タクシー事業を軌道に乗せ、継続的に安定した収入を得るために欠かせないのが、市場調査と分析です。

開業する予定地域の高齢者・障害者の人口、福祉施設の数や競合他社の存在などを調査し、需要と競争状況を把握する必要があるでしょう。

高齢者比率が低く需要があまりない地域や、介護タクシー事業者の競合が多い地域など、適切でない地域で開業すると失敗する可能性が高くなります。

介護タクシーは地域に根ざした営業を行う必要があるため、開業地選びは慎重に行いましょう。

資金計画が不十分

介護タクシーの開業で失敗を防ぐには、しっかりとした資金計画が必要です。

介護タクシーの開業時には、福祉車両などを購入するために融資を受けるケースが多いです。

しかし、売上見込みの金額に合わない負債を抱えてしまうと、資金繰りが上手くいかず、廃業に追い込まれる可能性があります。

介護タクシーの開業費用の目安は、350〜500万円程度です。

このうちどのくらいの金額を自己資金で用意できるのか、毎月の売上がどのくらいあれば良いのかをしっかり検討しましょう。

営業戦略を立てていない

介護タクシーを開業したからといって、何もせずに集客できるわけではありません。

たとえ需要が安定している地域であっても、戦略的かつ地道な営業活動を行わなければ、安定した集客を確保することは難しいでしょう。

営業戦略を立てずに思い付きで開業すると、失敗する可能性が高いです。

サービスの質が低い

介護タクシーは、高齢者や体が不自由な方のための移動手段です。

しかし、ただ目的地まで移動させれば良いというわけではありません。

介護タクシーの評価を左右するのは、サービスの質です。

運転手が清潔感のある身だしなみを意識したり、コミュニケーション能力を高めたり、利用者が快適・安全に過ごせるように車両のメンテナンスを徹底するなど、再び利用したいと思えるサービスを提供しなければ、リピーターを増やすことは難しくなります。

広報活動をしていない

介護タクシーを開業しても、適切な広報活動を行わなければ、地域の人々に認知してもらうことができません。

地域の人々に存在を知ってもらえなければ、利用者はあらわれないため、失敗する可能性が高くなります。

個人事業主として介護タクシー事業を開業する場合も、ホームページがあったほうが良いでしょう。また、SNSやWeb広告を活用した広報活動もおすすめです。

介護タクシーの廃業率は高い?

介護タクシーの廃業率については、正式な数値がどこからも公表されていないため、現時点では知ることはできません。

日本では福祉車両の導入を促進していて、令和7年までに約9万台の導入を目指しています。

実際に、導入台数は年々増加傾向で、平成22年度末には12,256万台だった福祉車両の台数は、令和3年度末には42,622台になっています。

このような福祉車両の導入台数から推測すると、多くのタクシー業者が福祉車両を導入していること、介護タクシー事業の開業事例が増えていることが考えられます。

日本における高齢化は年々加速しており、令和元年における人口の高齢化率(65歳以上の高齢者の割合)は28.4%です。

さらに、令和47(2065)年には約3.9人に1人が75歳以上の高齢者になると予想されています。

介護タクシーは将来性が高く、需要は今後益々加速していくと考えて良いでしょう。

ただし、介護タクシーは開業すれば必ず成功するわけではありません。

開業する人が増えれば増えるほど、残念ながら失敗し、廃業に追い込まれる人も増えてしまいます。

介護タクシー事業で開業を目指すなら、失敗しやすい理由をあらかじめ把握し、廃業を回避するための適切な対策を講じることが必要です。

介護タクシー開業の失敗・廃業を回避するための対策

介護タクシーの開業に失敗せず、廃業を回避するためには、どのような対策を講じれば良いのでしょうか。

ここからは、具体的な5つの対策について紹介します。

他社との差別化をする

介護タクシーの開業で成功するには、開業する地域選びが重要です。

人口における高齢者比率が高かったり、新たな福祉施設の建設が予定されていたりなど、介護タクシーの需要が増加している地域を選ぶようにしましょう。

しかし、介護タクシーの需要が見込める地域は、当然ながら競合も多いです。

「介護タクシーはどこを使っても同じ」と思われてしまうと、価格競争になってしまう可能性もあるので注意が必要です。

介護タクシーで他社との差別化を図るには、サービスの質を高めることが重要です。

利用者が介護タクシーに何を求めているかを考え、独自のサービスを生み出しましょう。

もちろん、リピーター向けの特典や割引制度を用意することも効果的です。

十分な開業資金を確保する

介護タクシー事業者が廃業に追い込まれる理由は、運転資金が尽きてしまうからです。

しっかりと資金計画を立て、事業が軌道に乗るまでの運転資金も含めて、十分な開業資金を確保しておくことが必要です。

介護タクシーの開業費用の目安は350〜500万円程度です。最新の設備が整った福祉車両を新車で購入するとなると、さらに費用がかかる場合もあります。

また、介護タクシーを個人で開業して1人で事業を行う場合、平均的な月々の売上は30~50万円が目安です。

売上見込みも立てたうえで、適切な資金計画を建て、それに基づいた経営を行いましょう。

顧客満足度を高める

介護タクシーでリピーターを増やすには、顧客満足度を高めることが大切です。

顧客満足度を高めれば、口コミで利用者の輪が広がっていくこともあります。

清潔感のある身だしなみ、丁寧な言葉遣い、笑顔で挨拶をするなど、基本的なマナーは徹底しましょう。

コミュニケーション能力を高めたり、利用者が快適に過ごせるように車両の掃除やメンテナンスをこまめに行うことも重要です。

福祉団体・施設・病院と提携する

介護タクシーを開業し、いち早く事業を軌道に乗せるなら、安定した集客を確保しなければいけません。

積極的なマーケティングを行い、介護タクシーの需要がある地域の福祉施設や高齢者施設、医療機関などに挨拶周りをしながら、新たな介護タクシー事業者が開業したことを宣伝しましょう。

地道な営業活動で提携先を確保することが、介護タクシーの開業で失敗を防ぐ鍵となります。

開業支援サービスを利用する

介護タクシーの開業を成功させるには、民間の開業支援サービスを利用するのもおすすめです。

エマジェンでも、介護タクシーで独立・開業を目指す方向けに、開業支援サービスを提供しています。

個人で独立・開業を目指す場合、開業に必要な申請手続きに手間と時間がかかり、思うように開業準備が進まないということもよくあります。

エマジェンなら専任スタッフによる開業サポートが受けられるだけでなく、開業後にお仕事を紹介することも可能なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

フランチャイズに加盟する

介護タクシーの開業で失敗・廃業を防ぐなら、フランチャイズに加盟するのも一つの方法です。

すでにブランド力や経営ノウハウを持ったフランチャイズ本部(フランチャイザー)に加盟することで、商標の使用権や経営のサポートを受けることができます。

加盟金やロイヤリティを支払う必要はあるものの、ブランド力のある介護タクシー事業者の商標やロゴを使って事業をスタートできるのは大きなメリットです。

もちろん、開業までの手続きや準備、開業後も経営のアドバイスやサポートを受けられるのが一般的です。

エマジェンでは、介護タクシーのフランチャイズ加盟店も募集しています。

許可申請から車両準備、事前研修までしっかりと行うので、未経験・無資格の方も安心してご相談ください。

エマジェンの商標・ロゴを使って営業活動ができるほか、エマジェンからのお仕事紹介、介護タクシーを活用したオリジナル旅行プランの提供なども行っているので、一人でゼロから始めるよりもスムーズに事業をスタートできるでしょう。

介護タクシーの開業で失敗を防ぐには事前の準備が大事!

介護タクシーの開業で失敗を防ぐためには、事前の入念な準備と計画が必要です。

また、エマジェンでは、顧客満足度を高めるための勉強会なども定期的に開催しており、開業後も継続した事業支援が可能です。

介護タクシー事業に興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。