介護タクシーに必要な資格は2つ!あると役立つ資格や受けたい研修も紹介

民間救急・介護タクシー

介護知識

介護タクシーのドライバーは、ただ車両を運転するだけではなく、乗降時の介助を行うことが求められます。そのため、介護に関する資格を保有する必要があるのです。
今回は、介護タクシーのドライバーが必ず保有しなければならない2つの資格と、あると役立つ7つの資格・研修について紹介します。

介護タクシーのドライバーが必ず保有すべき資格

まずは、介護タクシーのドライバーになるために必要な2つの資格について解説します。

普通自動車二種免許

普通自動車第二種免許は、旅客運送をするために必要な資格です。

介助タクシーはもちろん、バスや通常のタクシーなど、緑ナンバーの旅客自動車を運転する場合は、普通自動車二種免許を保有していなければいけません。

バスを運転するなら、大型自動車第二種免許や中型自動車第二種免許が必要ですが、タクシーの場合は普通自動車二種免許のみでも問題ありません。

また、普通自動車二種免許にはAT限定のものもあります。

ただし、普通自動車二種免許は、通常の運転免許(第一種運転免許)を取得して3年以上経過しなければ受験できないため注意しましょう。

21歳以上という年齢制限がありますが、受験資格特例教習を修了している場合に限り、「19歳以上で普通免許を取得して1年以上の人」も受験することができます。

普通自動車二種免許の試験科目には、視力や色彩能力を確認する「適正試験」、マークシート形式の「学科試験」、自動車教習所で行う卒業検定と同じ「技能試験」の3つがあります。

通常の第一種運転免許と比較すると、合格点も採点基準も非常に厳しくなっているため、しっかりとした対策が必要です。

介護職員初任者研修修了資格

介護タクシーは、単なる移動手段ではなく、訪問介護サービスの一種です。

要介護認定を受けたお客様が1人で乗車されるため、乗降介助や外出準備(着替えなど)の介助はドライバーが行う必要があります。

介護タクシーのドライバーになるには、介護職員初任者研修修了資格が必要です。

介護職員初任者研修修了資格は、初心者向けの介護関連資格で、受験資格は特にありません。

1ヶ月程の研修を受け、修了試験に合格することで付与されます。

介護職員初任者研修修了資格を取得することで、介護の基礎知識が身につき、要介護者の体に直接触れて食事や排泄、入浴などをサポートする「身体介護」ができるようになります。

ただし、仕事として身体介護を行う場合、介護に関するほかの資格も取得することが望ましいとされています。そのため、介護士や看護師が同乗しない介護タクシーの場合、ドライバーが「介護福祉士」などの上位資格を保有しているケースも多いです。

介護タクシーに役立つ資格や研修

「普通自動車二種免許」と「介護職員初任者研修修了資格」の2つの資格さえあれば、介護タクシーのドライバーとして働くことができます。

しかし、将来的に介護タクシーで独立・開業を目指すとなると、あらゆる事態に備えられる専門知識を身につける必要があるでしょう。

続いては、介護タクシーのドライバーや開業を目指す人にとって、役立つ資格や受けておきたい研修をいくつか紹介します。

ガイドヘルパー(外出介護員)

ガイドヘルパーとは、「移動介護従事者」と呼ばれる資格です。

1人での外出が難しい方を対象として、移動や外出時の介助を行うための専門資格となっています。

具体的には、以下の3つの資格があります。

  • 同行援護従事者養成研修(視覚障がい者ガイドヘルパー)
  • 全身性障害者ガイドヘルパー養成研修(全身性障がい者ガイドヘルパー)
  • 行動援護従事者養成研修(知的・精神障がいガイドヘルパー)

介護タクシーのドライバーがガイドヘルパーの資格を保有することで、さまざまな障害を持つ利用者のニーズに応えられるようになります。

ケアフィッター(サービス介助士)

ケアフィッターとは、「サービス介助士」とも呼ばれる資格です。

年齢や障害の有無に関係なく、誰もが自立した豊かな生活を送ることができる社会の実現を目指して、おもてなしの心と実践的な介助技術を身につけることを目的としています。

ケアフィッター(サービス介助士)の資格は、オンラインによる6〜7時間の講座と対面教習を1日受けるだけで、比較的気軽に取得することが可能です。

介護福祉士

介護福祉士は、介護の分野における唯一の国家資格です。

国家試験に合格して登録を行えば、介護福祉士として働くことができます。1度取得すれば全国どこでも通用する公的資格で、更新もありません。

ただし、介護福祉士の受験資格を得るには、3年以上の実務経験や450時間以上の実務者研修などの厳しい条件があります。

普通救命講習

普通救命講習は、消防庁や各自治体の消防署、保健所などが実施する応急処置などの技能講習です。

心肺蘇生法やAEDの使い方、怪我の応急手当の方法などを学ぶことができ、講習を受講して一定レベルに達すると、救命技能認定証が交付されます。

ユニバーサルドライバー研修

ユニバーサルドライバー研修は、タクシー業界が各事業者に対して受講を推進している研修です。

高齢者や障害を持つ方を含む、すべてのお客様への接遇向上や介助技術を学ぶことを目的としています。

研修時間は1日7時間で、経験豊富な介護のプロによる介助法の実践講義も組み込まれています。

ハートフルアドバイザー研修

ハートフルアドバイザー研修は、高齢者や障害を持つ方に対して接客を行うにあたっての心構えや、必要な知識と技術を学ぶ研修です。

一般社団法人シルバーサービス振興会・公益財団法人総合健康推進財団が主催し、百貨店、銀行、ホテル、レストラン、旅館、鉄道、旅行その他接客サービスの従事者が受講しています。

タクシー業界および介護タクシードライバーにも推奨される研修です。

運行管理者

運行管理者とは、運送会社やタクシー・バス会社などで、車両数に応じた人数の配置が義務付けられている国家資格です。

事業所の全てのドライバーが安全な運行を行うための指導や、過労運転にならないための勤務時間、乗車距離の管理、シフト作成などを行います。

介護タクシーは、高齢者や障害を持つ人の命をお預かりするサービスです。超過勤務による居眠り運転などがあれば、重大な事故につながりかねません。

ドライバーに必ず必要な資格ではないものの、介護タクシーで独立・開業を目指すのであれば取得しておいて損はないでしょう。

介護タクシーに役立つ資格を取得して独立・開業を目指そう

介護タクシーは、高齢化社会の中でますます注目を集めている業界です。

介護タクシーのドライバーになるには、普通自動車第二種免許のほかに介護の資格が必要です。

また、介護タクシー業界で独立・開業を目指すのであれば、介護福祉士や運行管理者などの資格があると役立つでしょう。

エマジェンでは、介護タクシーの開業に必要な書類作成や現場研修、開業後の運営に至るまで、介護タクシー開業のトータルサポートを行っています。必要な資格や受講が推奨される研修についてもアドバイスを行います。

介護タクシーの開業にご興味がある方は、ぜひお問い合わせフォームからご連絡ください。